見どころ
本展の特徴
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1
挿絵はありません。日本画約109件を集める大回顧展です。
若くして挿絵で人気を博した清方は、文部省美術展覧会の開設(1907年)を契機に日本画に転向しました。彼が人生を賭けた日本画作品約109件が一堂に会します。
※会期中、展示替えがあります。東京会場のみ、京都会場のみに展示される作品もあります。 -
2
《築地明石町》《新富町》《浜町河岸》は二会場、全会期通して展示します。
切手にもなった《築地明石町》。あわせて三部作となる《新富町》 と《浜町河岸》。2019(令和元)年に44年ぶりに公開されたこの三部作を、東京、京都の両会場とも展示替えなしでご紹介します。
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3
初公開作品は10点を予定。
清方が毎回力作を出品したグループ展・七絃会展の出品作《雪紛々》(1937年)など10点が、回顧展では初公開となります。
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4
東京会場と京都会場で展覧会構成が変わります。
東京会場では作品のテーマで区切って年代順に、京都会場では全体をとおして年代順に構成します。
本展の楽しみ方
“需(もと)められて画く場合いはゆる美人画が多いけれども、
自分の興味を置くところは生活にある。
それも中層以下の階級の生活に最も惹かるる”
「そぞろごと」1935年『鏑木清方文集 一』
本展では清方が「需められて」描いた作品を少なくし、代わりに自己評価の高かった作品を積極的にラインナップに加えました。
清方が残した制作記録のうち、8年分にだけ記された3段階の自己採点をもとに、出品作23点に☆の数でご紹介します。
☆☆☆(会心の作)、☆☆(やや会心の作)、☆(まあまあ)の採点から、清方が大事にしたものが見えてきます。
作品紹介
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《築地明石町》
1927(昭和2)年
東京国立近代美術館《浜町河岸》
1930(昭和5)年
東京国立近代美術館《新富町》
1930(昭和5)年
東京国立近代美術館《築地明石町》全期間展示!
《新富町》《浜町河岸》も《鰯》
1937(昭和12)年頃
東京国立近代美術館《一葉女史の墓》
1902(明治35)年
鎌倉市鏑木清方記念美術館《道成寺(山づくし)鷺娘》
1920(大正9)年
福富太郎コレクション資料室《朝夕安居(朝)》部分
1948(昭和23)年
鎌倉市鏑木清方記念美術館《雛市》
1901(明治34)年
公益財団法人 北野美術館
【全期間展示】《遊女》
1918(大正7)年
横浜美術館
【7月5日~7月10日展示】《ためさるゝ日》(左幅)が
30年ぶりに公開!《ためさるゝ日》
1918(大正7)年
左幅:個人蔵[写真提供:小学館]
【全期間展示】《ためさるゝ日》
1918(大正7)年
右幅:鎌倉市鏑木清方記念美術館
【7月5日~7月10日展示】幻の三部作―初めての、関西です。
左から:《浜町河岸》 1930(昭和5)年/《築地明石町》 1927(昭和2)年/《新富町》 1930(昭和5)年
いずれも東京国立近代美術館
【全期間展示】重要文化財《三遊亭円朝像》
1930(昭和5)年
東京国立近代美術館
【6月28日~7月10日展示】《明治風俗十二ヶ月》部分
1935(昭和10)年
東京国立近代美術館
【全期間展示】氷店(八月)
金魚屋(六月)
《明治風俗十二ヶ月》部分
1935(昭和10)年
東京国立近代美術館
【全期間展示】《鰯》
1937(昭和12)年頃
東京国立近代美術館
【全期間展示】《朝夕安居(朝)》部分
1948(昭和23)年
鎌倉市鏑木清方記念美術館
【朝:5月27日~6月9日展示】※会期中展示替えがあります